Navigateur - S U R F A C E




8.9/10点中

Formal Logic Recordsという新進気鋭のレーベルから発表された初フィジカル音源。
Navigateur自身は2011年頃から活動しており、この作品が初めてのアルバムとなる。
レーベルのバンドキャンプのページを見ると、「あーそういう系ね」と流してしまいそうになるが、
実際の音はヴェイパーウェイヴやチルウェイヴの流れを汲みながらも、
それに全的に与することのない、「レトロフューチャー」なサウンドを奏でている。

80年代ライクな音を奏でつつも、チープさは無く、真摯に音に向き合っている様が
冒頭の「Inner Self」からも伝わってくるはずだ。
Com Truiseのような下世話さもなく、Ford&Lopatinのような諧謔の姿勢も無い、
素直な音像はこれまでの80年代回帰の流れにはなく、新鮮。
メディテーティヴでありながら、ノらせるようなビートを配置しているのも
また作者の真面目な気質を表しているようで微笑ましい。
(作者の素性に関してはこのインタビューが詳しい)

また、アルバムの構成も見事でメリハリをはっきりつけており、
起承転結もきっちりもうけられている。
特に最終曲「Brilliance」はノスタルジックでありながら、快いフィーリングを感じることの出来る、
この作品の終りを余韻とともに締めくくる80年代好き必聴の名曲だろう。
Internet Clubの「GLOBES」のハイファイ版と言っても良いかもしれない。
Mallsoftのような気休めの安心感ではなく、本当に心安らぐような気持ちの良い曲だ。

意図的なのか、どうなのか分からないが、
80年代回帰の文脈を一切感じないのもこの作品の面白いところ。
確かに一見「それっぽい」アルバムかもしれないが、
聴けば、このアルバムが真っ新な地平を目指していることをはっきりくみ取ることができるだろう。
FORMALOGICというレーベルの行方も含め、このNavigeteurは今後も注目していくべきアーティストだ。