Com Truise - Galactic Melt


8.9/10点中

トロン・レガシーのリミックス盤にも携わった、コム・トゥルーズのデビュー作。

トム・クルーズの綴りを入れ替えただけという、
一見、おふざけとも捉えられかねない名前のコム・トゥルーズだが、
80年代のシンセサウンドをニューエイジ的観点から再構築した音楽性はシリアスそのものだ。

たった一人、陽炎ゆらめく砂漠の下に取り残されたような殺伐とした音像である。
「Terminal」の美しい導入からその名の通り、衝撃的な幕開けが楽しめる「VHS Sex」、
ギャラクティックというタイトルを体現したような「Brokendate」 は非常は見事だ。
その他の曲も絶妙な具合で感情が抜け落ちており、
シンセサイザーの機械的な側面が強調されている。

ややワンパターンではあるが、冗長さはあまり感じることはなく、
40分程度と比較的コンパクトにまとめられている。
2011年の作品だが、ここからヴェイパーウェイヴに至る流れの源も感じることができ、
非常に興味深い作品であった。