9.1/10点中
ミヒャエル・ローターの「Katzenmusik」を聴いたときのような、
晴れやかな気持ちにさせてもらった。
果たして、彼らに明確な意図があったのかどうか分からないが、
80年代ニューウェーブの手触りがありつつも、
単なる80年代の模倣に留まるUSインディーの他バンドとは違い、
ミヒャエル・ローターやノイ!を聴いたときのような、
人間味のある、柔らかい音の反復がこのアルバムにはある。
若さゆえの焦燥感とその中に入り混じる円熟味のある温かさ。
そんな、アンビバレントな感情が見事に結実した秀逸な作品だった。