fthrsn - middle school swag


8.9/10点中

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絶妙な力の抜き加減。

ラップトップで作られたであろう電子音と生音の美しい混じり合い。
そこに重なる、これしかないヘタウマなボーカル。
視聴時に感じる、心地よい雰囲気はまさにAOR的であり、
どれをとっても秀逸すぎて、もはや批判のしようがない。

何より素晴らしいのが、その電子音の使い方だ。
おそらく、アナログではなくデジタルで作られた音なのだが、
XXYYXXのようにそれを感じさせない、繊細な配慮が為されており、
耳馴染みが良い。

そして、ボーカルラインの良さで勝負してきたことにも僕は賛辞を送りたい。
最近出会う宅録系のアーティストはインストのみのアーティストが多く、
個人的になんとも言えない気分を抱えていたのだが、
そういう思いもこのアルバムは払拭してくれた。

敢えて言えば、少し尺が短すぎるかも(笑)
このアルバムを聴けば、間違いなくもっとこの人の曲が聴きたくなるはず。
それだけの寛容さを持ち合わせた、素晴らしいアルバム。
特に「What do I want to be when I grow up」は素晴らしいので、
これだけのために聴く価値はありだろう。